ロコモティブシンドローム
とは
ロコモティブシンドロームは、運動器の障害のために移動機能などの低下をきたした状態です。
これを略して「ロコモ」と呼ばれることも多いです。
人類が経験したことのない超高齢社会を見据えて、日本整形外科学会が提唱しました。
筋肉や骨、関節、軟骨、椎間板といった運動器のいずれかに障害が起こっているため、歩行日常生活に障害をきたすようになります。
ロコモの状態を放っておけば、近い将来に要介護の状態になる可能性があります。
しかし、きちんと対応することにより、慢性的・永続的な運動機能障害の進行を抑制できます。
いつまでも自分の足で歩き続けていくため、なるべく早い段階からロコモを予防し、健康寿命を延ばしていくようにしてください。
このような方はロコモの可能性があります
- 片脚立ちでは靴下が履けなくなった
- 普段生活している家の中でつまずいたり、滑ったりする
- 階段を上るのに手すりが必要だ
- やや負担のかかる家事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難になった
- やや重い買い物(1リットルの牛乳パック2個程度)がつらい
- 15分くらい続けて歩くことができない
- 横断歩道を青信号の間に渡りきることができない など
ロコモティブシンドロームの治療
ロコモティブシンドロームが疑われるときは、まず原因となる病気がないかどうかを見極め、疾病があればその治療をしていくことが必要です。
当院では、患者さん一人ひとりの状態をチェックし、必要に応じて治療やリハビリテーションを行います。
こうした対策により、運動器の障害の改善を図り、要介護状態になってしまうことを防いでいきます。
さらに、ロコモが進行しないよう、予防のための簡単なトレーニングなども取り入れていきます。
ロコモの可能性が疑われる方、また将来のロコモが心配な方は、お気軽にご相談ください。
若いうちから対策を講じましょう
個人差はありますが、骨量や筋肉量のピークは20~30歳代です。
骨や筋肉は、適度な運動で刺激を与え、適切な栄養を摂ることで健康状態が維持されていきます。
20~30歳代できちんと運動を行っていないと、40~50歳代で体の衰えを感じやすくなり、60代以降には思うように動けない体になってしまう可能性があります。
若いうちから運動習慣を身につけることが大切です。
ただし、過度なスポーツによって負担をかけ過ぎると、軟骨や椎間板は逆に傷んでしまうこともあります。
また、やせすぎると筋肉や骨は弱くなってしまいます。